1927年に関東大震災後の震災復興事業の一環で、隅田川に架設された現存最古のブレースドリブタイドアーチ橋となる「千住大橋」が2015年12月、架橋から88周年を迎えた。その長寿を祝う会が6日、国土交通省関東地方整備局東京国道事務所の主催、大橋で結ばれている荒川、足立両区の協力で現地で開かれた=写真。
来賓として松島みどり衆院議員らが出席。東京国道事務所の西川昌宏所長が北川嘉昭荒川区副区長、石川義夫足立区副区長に地域への感謝の意を込め、記念の盾を贈呈した。西川所長は「人間で言えば米寿を迎えた。適切な維持管理に務めており、長寿命化には地域の協力・支援が不可欠。次世代に引き継げるよう今後とも創意工夫を重ねていきたい」と述べた。
現在の千住大橋は東京府(現東京都)の建造で、設計を当時の日本を代表する橋梁技術者・増田淳氏が手掛け、鉄部構造製作・架橋用トラス製作架橋工事を石川島造船所(現IHI)、橋台・取り付け道路工事を大林組が請け負った。1945年の東京大空襲に耐え、今なお人々の生活に欠かせない橋梁で、維持修繕工事や地元住民らによる清掃活動によって大切に使われている。整備局の担当者は「地域と一体となってインフラを長寿命化させる取り組みは、今後一層重要になる。そして長寿を地域とともに祝い、後生に受け継ぐことも大切なこと」と話し、千住大橋をその先導的な事例と位置付けた。
今回の祝う会と併せて挙行したイベント「舟で巡る千住大橋」には約330人が参加した。
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