丸山工務所(本社・新潟県十日町市、丸山浩社長)は、道路改良に伴う掘削・法面整形で、マシンガイダンス機能を搭載したバックホウ(MG・MC)を同社として初めて使用した=写真。広田真澄土木部長代理はメリットと本格導入への課題を挙げながら、「当社としても情報化施工の流れに的確に対応する必要がある」と強調する。i-Construction(アイ・コンストラクション)を始め、公共土木工事のICT(情報通信技術)化が進む中、現場での効果などを追った。
同社が下請けとして携わった、国道353号小原バイパスの土工(掘削・法面整形)で情報化施工を導入。コマツからの働き掛けがきっかけだったため、コマツ製のICT建機(油圧ショベル)を当該工事で使用した。
建機本体に車載されたガイダンス機能は、コマツの担当者が設計図などを基に構築していることから、オペレーター(技術者)は半自動状態のICT建機を操縦した。
現場を監督した根津保広土木部工事主任は、自動制御機能により「土の取り過ぎ(深掘り)を防げる」ことを実感。また、従前と比べ、丁張り作業が減るので省力化につながるという。施工中には「建機のアームが制御されたので、設計図を確認すると、要所に設置した丁張りの位置の(設計図との)ずれに気付けた」と情報化施工ならではの利点を振り返る。
一方、オペレーターの反応はさまざまだ。実際に操縦した2人の技術者は奇しくも兄弟だったが、そのうちの1人はその特長を全面的に評価。もう1人はこれまでの経験から「品質を高めるため、もう少し削りたいのに、(アームが)動かなくなるのでもどかしい」と話していた。
広田部長、根津主任とも生産性の向上、人手不足の解消を図る上で「非常に有効」との見方を示しながら、「自然環境などにより刻々と状況が変化する現場では不測の事態が起こりやすい。ICT化が進んだとしても、それに気付く目、対応する力は養わないといけない」と口をそろえる。
ものづくりの最大のやりがいは、自分の携わった仕事が形となって表れること。若手の施工機会を創出する、建設業のICT化はその一助を担えると言える。ただ、現場監理はこれまで培ってきた経験と技術力が大きく影響するだけに、双方の円滑な融和が建設生産システムを改善する上で不可欠となりそうだ。
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