2016/11/06

【宮城事協】「建築未来賞」大賞は石森絵里華さん(石巻工高)、井戸陽斗さんら(東北電子専門学校)!


 宮城県建築士事務所協会(栗原憲昭会長)は28日、仙台市青葉区のアエルで第22回建築未来賞の表彰式を開いた。最優秀となるみやぎ建築未来大賞は、高校生の部が石巻工業高校の石森絵里華さんの『WEDDING ISLAND~青い空・白い砂浜・島の活性化』=写真、専門学校・大学の部は東北電子専門学校の井戸陽斗さん、武田ちとせさん、菊池林太郎さん、高橋祐葵さん、高橋花奈さんの『attractive-新大手門-』がそれぞれ選ばれた。

 今回の共通テーマは「地域産木材を使った水辺のある空間」に設定。県内の工業高校5校から17作品、専門学校・大学の部には2校5作品の応募があった。
 表彰式の冒頭、あいさつに立った栗原会長は「ことしも力作ばかりの素晴らしい作品が多かった」とした上で「建築家は、成り手が減ってきている。この表彰が就職につながったという声を耳にしており、次世代につなぐためにも、これからも表彰を継続していきたい」と語った。

この後、表彰状の授与で栗原会長が大賞を受賞した石森さんに「女性らしい美しい提案だった。ぜひ、次世代の建築家になってほしい」と呼び掛け、井戸さんらには「木道と木造の橋、新しい大手門の発想は夢がある」と作品に対する評価を述べ、表彰状などを手渡した。
 大賞を受賞した『WEDDING ISLAND』は、石巻市の離島・網地島の先端部に木のぬくもりあるコテージとチャペルを提案した。

専門学校・大学の部大賞の『attractive-新大手門-』
(東北電子専門学校の井戸陽斗さん、武田ちとせさん、菊池林太郎さん、高橋祐葵さん、高橋花奈さん)
『attractive』では、仙台市内の西公園から仙台国際センターまでに木道、広瀬川に木橋を整備し、同センター前には木造の大手門を設けるとした。

 大賞以外の入賞作品は、次のとおり(敬称略)。
 〈東北整備局長賞〉猪狩涼太(東北職業能力開発大学校)=~気付く、栗原~。
 〈県知事賞〉星川慧伍(宮城県工業高校)=沈み。
 〈県教育委員会教育長賞〉黒澤紗矢、高橋里帆(古川工業高校)=水との共存と文化の伝承。
 〈仙台市長賞〉山内菜緒、遠藤優介、坂本理華(東北電子専門学校)=主役は君~七郷堀クラフトファクトリー~。
 〈市教育委員会教育長賞〉菅原碧(石巻工業高校)=水盤のある家。
 〈県建築士事務所協会賛助会長賞〉浮津天音(石巻工業高校)=繋~豊かなシニアライフを人と地域と~。
 〈審査員特別賞〉千葉春香、横地ひなの、結城明香里(古川工業高校)=水を受け入れる図書館。
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