2015/03/19

【働きかた】制度拡充は「手段」、指導的立場の女性を育てる 大成建設・塩入徹弥さん

優秀な女性社員の潜在能力を生かした職域の拡大や、グローバルな大規模プロジェクトをけん引する外国人材育成の取り組みなどが高く評価され、経済産業省が実施している「ダイバーシティ経営企業100選」の2014年度受賞企業に選ばれた。

 大成建設管理本部人事部の塩入徹弥人材いきいき推進室長は受賞を機に「1つは女性管理職数の目標を確実に実現できるようにしていきたい」とさらなる女性の活躍支援に全社を挙げて取り組む考えを示す。
 同社は女性管理職数を2020年に3倍にする目標を掲げており、意識改革のための男性管理職研修や、産休・育休中社員のキャリア支援など、女性社員が能力を発揮し、働き続けられる環境整備を積極的に推進している。
 各種制度の拡充は、女性の離職率低下などの成果を上げている。現場で施工や事務管理業務を担当する女性社員数は06年の10倍に当たる140人、同年にはゼロだった営業職は24人に増加するなど女性社員の活躍の場は着実に広がっている。
 「出産、子育て支援ではかなり制度を充実させているが、必要なものはさらに検討していく」方針ではあるが、さまざまな制度拡充は手段であり目的ではない。「単なる人数合わせではなく、指導的立場の女性を育てるための仕組みを充実させていきたい」と、職責を担うことができる人材育成に力を注ぐ。
 女性とともに外国人社員の育成にも注力。入社して1、2カ月のビジネス研修期間中に、年金など日本の制度を理解してもらうためのサポートも併せて実施している。同社には現在、アジア圏を中心に41人の外国人社員がいるが、今後も国内の現場で外国人作業員の取りまとめ役となるだけでなく、将来的に海外の大規模プロジェクトで活躍できる人材育成を推進していく。
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