2015/09/04

【現場最前線】渋谷で屈指の難工事進む 東急百貨店東横店解体と渋谷川移設

東京急行電鉄と東急不動産は、東京都渋谷区で工事が進む東急百貨店東横店解体と渋谷川移設の両現場と、「ワークショップコレクション11inシブヤ」(特定非営利活動法人CANVAS主催)のイベントの1つとして解体ビルを使ったワークショップなどを報道関係者に公開した。

 東急電鉄が施行者となる東急百貨店東横店解体工事は、JR山手線・JR埼京線・東京メトロ銀座線、1・2階の通路、地下の渋谷川の3路線2通路1河川を一切止めずに進める“日本一難しい解体工事”と呼ばれている。施工は東急建設・鹿島・清水建設・鉄建JVで、宮地エンジニアリングが協力している。
 既に東1号館と東3号館の解体を終え、東2号館と西館をつなぐ橋状の3層(7階から5階)で構成する長さ30mの中央館の解体を進めている。中央館の3、4階部分は銀座線が通り、2階部分はJRが直角に交差して通っている。
 東1、2、3号館、中央館の解体規模は総延べ2万2400㎡で、工事の進捗状況は約60%。東3号館跡に設置したタワークレーンを使い、中央館の7、6階部分の撤去は既に終えている。現在は中央館の5階部分を、両側の東2号館と西館から斜めにワイヤーで吊って支えながら、解体を進めている。
 下には線路が通るため、午前1時20分から午前4時前までが作業時間となり、貨物列車が通る週3日は作業ができない。案内役を務めた東急百貨店東横店解体工事事務所の永持理所長(東急電鉄)は「作業時間が限られるため、中央館の解体だけでも、あと1、2カ月はかかる」と見込む。
 中央館解体後に、解体する東2号館の完了時期は2017年3月の予定だ。
 2事業者の線路の上に解体建物があるという複雑な構造に加え、JRの埼京線ホーム移設工事や、東2号館3階部分の東京地下鉄銀座線の切り離しなども控えているため「打ち合わせを日々綿密に行っている」(永持所長)。

仕上げ作業が行われた渋谷川移設工事
渋谷川移設工事は東口地下広場を整備するため、既存の長さ約160mの渋谷川を東側に最大約30m移設するもの。東急電鉄、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東京地下鉄の地権者3者による渋谷駅街区土地区画整理事業の一環として行われる。施行者としては東急電鉄と、施行同意している都市再生機構の2者となる。施工は北側が東急建設・清水建設・鹿島JV、南側が大成建設・鉄建JV。内空断面は幅が約10m、高さ約4m。8月末に移設が完了、その後は19年度まで既設渋谷川の撤去工事を行う。
 渋谷川は通常は水が流れないが、大雨の時には越流堰を越えて流れ込む仕組みになっている。渋谷駅街区土地区画整理事業共同施行者事務所の森正宏所長(東急電鉄)は、「ゲリラ豪雨時には鉄砲水がくる。越流堰の水位計、インターネット上での雨雲監視、ゲリラ豪雨を30分前に知らせるメール配信を活用している」ことで安全に万全を期す。
 東口地下ではこのほか、延べ約1600㎡の地下広場と、ゲリラ豪雨の浸水対策として約4000tの雨水を一時的に貯水できる貯留槽を整備する。ともに19年度ごろの完成を予定している。
 8月29、30日に行われた、こども創作イベント「ワークショップコレクション11inシブヤ」では、東急百貨店東横店解体現場を見学する「未来のシブヤ発見ツアー」や、解体する渋谷TODビルの壁に絵を描く「♯BCTIONフリーウオール」などが開催された。
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