行政機関と建設産業団体、教育機関が三位一体となって建設業界の人材不足解消に取り組む、「第2回北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会」(座長・野田徹北陸地方整備局長)が17日、新潟市中央区の同局で開かれた=写真。会合では新潟、富山、石川各県部会の議論を踏まえ、2015年度から管内の大学、高専、高校で建設系の講座を開設することを確認。参画機関の関連情報を一元化するため、専用ホームページ(HP)も立ち上げ、建設界の魅力を広くかつ的確に伝えていく。
今回も初会合と同じく、富山市の富山河川国道事務所とのテレビ会議となった。新たに北陸地質調査業協会と日本道路建設業協会北陸支部が加わった。
15年度の活動計画によると、3県部会とも大学、高専に連続講座を設ける。内容は専攻学科によって異なるが、公共事業の歴史や役割などを学んだ上で、実際の現場を見学する。一方、高校は既に固まりつつある15年度のカリキュラムから数コマを確保するのが難しいため、単発的な講座を展開。大学などと同様に、“誇り”“頼もしさ”“楽しさ”を体感してもらう。
対象校は新潟県部会が新潟大、長岡技術科学大、長岡高専、新発田南高、新潟工高、新潟県央工高、加茂農林高、上越総合技術高、高田農業高、新津工高、塩沢商工高。富山県部会が富山県立大、富山工高、桜井高、高岡工芸高。石川県部会が金沢大、金沢工大、石川高専、小松工高、金沢市立工高となる。講師は同局を中心に、参画機関から派遣する。
また、新潟県部会では、女性技術者が体験談などを語る機会を別途設けるとともに、現場見学会は同局、新潟県、日本建設業連合会北陸支部、新潟県建設業協会から幹事機関を選び、各校との調整を一元的に進める。
石川県部会は講座を通じて、石川県建設業協会と高校生との意見交換を実施する。
このほか、各県部会ではインターンシップ、広報などを拡充する。新潟県部会では、高校生の保護者や就職担当教諭にも建設業への理解を深めてもらうため、現場見学会と意見交換会を予定している。
専用HPは近く開設する見通しで、同協議会の設立趣旨や活動、取り組み内容、各種情報などを掲載する。
15年度以降の進め方は、4-6月までに各県部会を開催し、当該年度の取り組みとインターンシップの受け入れ態勢などを確認する。座長への報告と内部での情報共有を徹底しつつ、2度目(翌年1-2月開催)の各県部会を経て、同協議会(同2-3月開催)で次年度の計画や当該年度の取り組みを評価するほか、入職率・離職率などの指標を用いたPCDAを構築していく。
■若手の高い離職率が浮き彫りに 育成と職場内コミュニケーションに重点
北陸3県の建設業の就職、離職に関するデータによると、入職から3年以内の離職率は大卒が3割、高卒が4割といずれも他産業より高く、若者離れが顕著となっていることが分かった。同データは新潟、富山、石川各労働局が連携してまとめた。業界内での転職は数値に含まれていない。
それによると、 大卒の離職率は2009年が35.0%、10年が31.0%、11年が30.1%。12、13年は3年目もしくは2、3年目が存在せず、それぞれ24.2%、14.7%で推移している。09-11年までは1-3年目の各階層で減少していた一方、12、13年は1、2年目の離職が増加している。
高卒も同様の傾向だが、離職率は09年が38.9%、10年が43.2%、11年が43.6%、12年が36.3%、13年が24.2%とさらに水準が上がっている。
大卒、高卒とも全産業の離職率と比べるとほぼ同水準だが、製造業は大卒で10%台、高卒で20%台と開きがある。
担い手推進協では、教育機関が求人、求職の充足率、技術、事務の採用数などの提示を要望した。また、建設コンサルタンツ協会北陸支部の寺本邦一支部長は「社員の高齢化が進み、年齢構成がいびつになっている」と企業経営を支える若手の必要性を訴えた。
野田座長は議論を総じて、「育成にも軸足を置いていく」意向を示した。その上で「同局の新規採用者に悩みを聞くと、職場内でのコミュニケーションが上がってくる」とし、「各組織でさまざまな不安を取り除く取り組みが求められている」と述べた。
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今回も初会合と同じく、富山市の富山河川国道事務所とのテレビ会議となった。新たに北陸地質調査業協会と日本道路建設業協会北陸支部が加わった。
15年度の活動計画によると、3県部会とも大学、高専に連続講座を設ける。内容は専攻学科によって異なるが、公共事業の歴史や役割などを学んだ上で、実際の現場を見学する。一方、高校は既に固まりつつある15年度のカリキュラムから数コマを確保するのが難しいため、単発的な講座を展開。大学などと同様に、“誇り”“頼もしさ”“楽しさ”を体感してもらう。
対象校は新潟県部会が新潟大、長岡技術科学大、長岡高専、新発田南高、新潟工高、新潟県央工高、加茂農林高、上越総合技術高、高田農業高、新津工高、塩沢商工高。富山県部会が富山県立大、富山工高、桜井高、高岡工芸高。石川県部会が金沢大、金沢工大、石川高専、小松工高、金沢市立工高となる。講師は同局を中心に、参画機関から派遣する。
また、新潟県部会では、女性技術者が体験談などを語る機会を別途設けるとともに、現場見学会は同局、新潟県、日本建設業連合会北陸支部、新潟県建設業協会から幹事機関を選び、各校との調整を一元的に進める。
石川県部会は講座を通じて、石川県建設業協会と高校生との意見交換を実施する。
このほか、各県部会ではインターンシップ、広報などを拡充する。新潟県部会では、高校生の保護者や就職担当教諭にも建設業への理解を深めてもらうため、現場見学会と意見交換会を予定している。
専用HPは近く開設する見通しで、同協議会の設立趣旨や活動、取り組み内容、各種情報などを掲載する。
15年度以降の進め方は、4-6月までに各県部会を開催し、当該年度の取り組みとインターンシップの受け入れ態勢などを確認する。座長への報告と内部での情報共有を徹底しつつ、2度目(翌年1-2月開催)の各県部会を経て、同協議会(同2-3月開催)で次年度の計画や当該年度の取り組みを評価するほか、入職率・離職率などの指標を用いたPCDAを構築していく。
■若手の高い離職率が浮き彫りに 育成と職場内コミュニケーションに重点
北陸3県の建設業の就職、離職に関するデータによると、入職から3年以内の離職率は大卒が3割、高卒が4割といずれも他産業より高く、若者離れが顕著となっていることが分かった。同データは新潟、富山、石川各労働局が連携してまとめた。業界内での転職は数値に含まれていない。
それによると、 大卒の離職率は2009年が35.0%、10年が31.0%、11年が30.1%。12、13年は3年目もしくは2、3年目が存在せず、それぞれ24.2%、14.7%で推移している。09-11年までは1-3年目の各階層で減少していた一方、12、13年は1、2年目の離職が増加している。
高卒も同様の傾向だが、離職率は09年が38.9%、10年が43.2%、11年が43.6%、12年が36.3%、13年が24.2%とさらに水準が上がっている。
大卒、高卒とも全産業の離職率と比べるとほぼ同水準だが、製造業は大卒で10%台、高卒で20%台と開きがある。
担い手推進協では、教育機関が求人、求職の充足率、技術、事務の採用数などの提示を要望した。また、建設コンサルタンツ協会北陸支部の寺本邦一支部長は「社員の高齢化が進み、年齢構成がいびつになっている」と企業経営を支える若手の必要性を訴えた。
野田座長は議論を総じて、「育成にも軸足を置いていく」意向を示した。その上で「同局の新規採用者に悩みを聞くと、職場内でのコミュニケーションが上がってくる」とし、「各組織でさまざまな不安を取り除く取り組みが求められている」と述べた。
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