2015/03/18

【バルーン照明機】コンパクト収納や発電機能付きも 夜間工事以外にも用途多数!

投光機、焼却炉、小型建設機械などの製造・販売を手掛け、ユーザー目線の製品開発に定評がある和光機械工業(埼玉県川口市)。同社の主力製品であり、“夜間工事の必需品”として普及しているバルーン照明機が、災害対策など多岐にわたる分野で注目を集めている。スーツケース収納タイプや発電機能付き自走タイプなど、建設現場で磨き上げた品質に工夫を加え、多様なラインアップを展開。災害時の避難所などで活用できるとして、地元・川口市を始め全国の自治体から注文が相次いでいる。

 同社は、夜間工事の照明機としてヨーロッパで普及していたバルーンタイプに着目し、他社に先駆けて国内で製造・販売を開始してから十数年の実績を誇る。従来の投光機と異なり、全方位に等しく配光し、照度の均整度に優れることから、高速道路での利用を皮切りに、多くの夜間工事に広まっていった。
 常に製品の向上に取り組み、性能を高める中で、屋外で確かな“光源”を提供する同製品に対し、建設現場以外のフィールドからも注目を集めるようになっている。特に、災害対応の観点で引き合いが多い。
 注目されるのが、スーツケース収納タイプのバルーン照明機「WL301SLBAKS-2」だ。高さ3mの3脚式照明機を、専用スーツケースにコンパクトに収納して持ち運ぶことが可能だ。格納時4段まで平積みで重ねることができ、乗用車によっては8台程度積み込むことができるなど、省スペース化を実現した。
 パーツは主に、バルーン(エアー式)、支柱、三脚で構成し、いずれも“ワンアクション”で組み立て・設置できる。かさばる三脚をスムーズに開閉する技術については特許を出願しているところ。ケースを含めた重量は24.6㎏で、本体は17.4㎞と軽量化した。LED(発光ダイオード)を導入し、従来製品では困難だった再点灯を瞬時に行えるようにしたほか、照度調整、長寿命化なども向上している。大和勇記代表取締役社長は、「不特定多数のユーザーが使用できるよう、使いやすさに工夫を凝らした」と強調する。
 こうした特徴から、埼玉スタジアムや学校の部活動などスポーツ分野で導入が増加しているほか、マンションでもイベントほか災害時の安心・安全を確保するために導入され、さらにはファッションブランドのコシノジュンコの南青山のスタジオに導入されるなど多方面で活躍している。小篠順子氏からは「幻想的だ」と評価されたという。また、ODA(政府開発援助)の発展途上国の支援業務などでも活用されている。
 大和社長は、「照明機として、まだまだ使い道があると思う。“ユーザー目線”で現場の声に耳を傾け、製品の改良に取り組んでいきたい」との姿勢を重視し、今後も製品の向上と多様化を日々追求していく意向だ。
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 和光機械工業 川口市東内野272。電話048C-295-3228。
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