2015/03/26

【京都醍醐寺ナビ】お寺の最新技術は五重塔からアプリへ…協和エクシオが古刹と連携

協和エクシオは、京都市にある醍醐寺と連携し、GPS(全地球測位システム)を活用した観光ガイダンス機能と防災情報を提供するアプリ「京都醍醐寺ナビ」を構築した。近年急激に増えている外国人観光客に対し、寺の文化財や歴史、成立の背景などを多言語による音声や画像を交えて紹介。より理解を深めてもらいリピーターの確保につなげる。4月6日から販売を開始する。同社は、ノウハウを持つWi-fiの構築技術などを生かし、ソフト面でも事業を拡大させる構えで、今後、自治体や寺社、博物館などでの活用を働き掛けていく。

 スマートフォンのGPS機能を生かし、観光客が建物や文化財の前など特定の場所に近づくと、自動的に音声ガイドが流れる機能も備えた。また、AR(拡張現実)機能を備え、特定の場所で写真を撮ると桜の咲いていない季節に訪れても満開の桜を再現して撮影できる機能も設けた。さらに災害時の避難場所も瞬時に分かるようにしている。
 サービスは、窓口で参拝記念カード「DAIGOJI FUN! CARD」を購入し、カードに添付したQRコードから利用できる。
 サービス開始を前に、醍醐寺座主の仲田順和大僧正=写真=は「1000年以上ある寺の歴史を振り返ると、五重塔の建立など時代ごとの最先端技術を取り入れてきた。(アプリの導入という)最先端技術を活用することで、醍醐寺の文化財を後世に伝えていける」と喜びを表現。協和エクシオの小園文典社長は「醍醐寺が持つ文化財などのコンテンツを映像や外国語で発信すれば、歴史や背景にも理解が深まり、違う季節に訪れるなどリピーターも増える」と導入の趣旨を説明した。
 同社は、通信設備の構築を生かし、運用などソフト面での展開にも注力する。
 今後も「今回の実績を踏まえ、寺社や博物館、動物園などでも展開したい。施設だけでなくエリア単位でもサービス提供を目指す」(小園社長)方針だ。
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