2015/03/18

【SANAA】滋賀県の近代美術館増築設計に決まる 公園に溶け込むランドスケープ提案

滋賀県は、県立近代美術館増築その他工事設計業務の公募型プロポーザルを実施した結果、SANAA事務所を最優秀提案者として特定した。次点には青木淳建築計画事務所を選定した。履行期間は2016年7月29日まで。同年度中に新館増築と公園改修工事を、17年度末に既存館を着工し、18-19年度ごろの完成を目指す。

 プロポーザルには13者が参加表明し、5者が技術提案書を提出、2月27日には公開プレゼンテーションも実施した。
 SANAA事務所は、公園の中に美術館を溶け込ませて自然とともにランドスケープをつくり上げ、さらに既存の美術館に新しさを吹き込む、分棟型の回遊式庭園美術館を提案した。メーンエントランス側にはガラスの講堂など、アイキャッチとなるものを配置して、エントランス部の新たな顔を創出。既存部分もガラス素材で一部覆うことで、風景を映し出すなど、その良さを継承した。新旧を統合して新しいイメージの美術館としていることが高く評価された。
 業務内容は、延べ6656㎡の新館新築、既存館(RC造地下1階地上2階建て延べ8544㎡)の改修の建築、電気設備、機械設備設計、外構工事設計、美術館整備に必要な公園整備の基本設計。
 工事費は美術館47億円、公園5億円を見込む。
 事業では、1984年に竣工した既存美術館を改修し、新館を増築した上で、隣接する公園施設も一体的に再整備する。
 美術館では現在、近代日本画、現代美術、郷土ゆかりの美術を収蔵・展示しているが、整備後は新たに「神と仏の美」と「アール・ブリュット」「若手」などの分野も加える。
 審査は建築家の伊東豊雄氏や布野修司滋賀県立大学副学長らで構成する選定委員会が努めた。
 2次審査では、県民アンケートも実施した。166人が良いと思う提案を2つ以内で選択した結果、青木淳建築計画事務所が59票と最多得票となり、隈研吾建築都市設計事務所と日建設計が各58票、SANAA事務所40票、山本理顕設計工場29票と続いた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿