2015/03/25

【現場最前線】人通りや店舗多い繁華街での慎重作業 御徒町駅付近高架橋耐震化

東鉄工業は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が首都直下地震補強対策の一環として取り組んでいる、JR山手・京浜東北線御徒町駅付近の高架橋耐震補強工事を進めている=写真。アメヤ横丁エリアを中心とした現場で昼夜人通りが絶えない厳しい環境の下、高架下に軒を連ねる店舗の営業や買い物客の安全、列車への影響などに配慮しながら、慎重な作業が進む。

 工事場所は、JR山手・京浜東北線の御徒町駅~上野駅間の約100m。予定では計約330本の既存高架橋柱に鋼板を巻き付け、鋼板と柱との隙間にセメントモルタルを充填して補強する。2014年度末までに約110本、15年度には全体の約7割の耐震化が完了する見込み。17年度の完成を目指している。

下橋英明氏
「これまで経験してきた繁華街の耐震補強工事の中でも、最も気を使う」。同社監理技術者の下橋英明氏は多くの耐震補強工事を手掛けてきたエキスパートだが、昼夜にわたって人通りが絶えない現場での施工は難易度が高い。

高架下店舗部分では、既設のコンクリート柱を露わにするため内装を撤去する必要がある。既設店舗は間取りや通路が複雑で、ケーブル類などが鉄道構造物の合間を縫って配置されているため、営業中の店舗に迷惑をかけないよう慎重な作業が求められる。鉄道利用者や買い物客などで往来が激しい駅部も含め、夜間作業となることが多い。
 安全な作業を継続するため下橋氏は、現場状況確認と作業員とのコミュニケーションを欠かさず、「最後まで気を抜かず無事故で工事を完了させたい」と気を引き締める。
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