2015/03/07

【建築甲子園】優勝は静岡県立科学技術高等学校の「めぐみの巡り」 入選作の展示会も

日本建築士会連合会と都道府県建築士会は、高校生を対象に実施している「建築甲子園」で奨励賞を受賞した作品を紹介する初の展示会を2月28日まで東京都港区の建築会館で開いた=写真。高校生らしい斬新な視点やアイデア、工夫、努力を広くアピールしようという企画。5回目の開催となった今回は、全国69校から107作品の応募があり、41作品が各県(単位建築士会)の代表として士会連合会による全国審査に勝ち上がり、同時に奨励賞に選ばれた。

 士会連合会での審査は、41作品を13作品に絞り込み、これを対象にトーナメント方式でベスト8を選定。その上で、ベスト8の中から優勝、準優勝、審査委員長特別賞、教育・事業委員長特別賞各1作品と入賞4作品を選んだ。優勝したのは「めぐみの巡り」を提案した静岡県立科学技術高等学校。建築甲子園はこれまでの全5回を「地域のくらし」をテーマに実施。同校は第2回に続き2回目の優勝となった。
 「めぐみの巡り」は、「私たちの住む静岡の奧静と呼ばれる地域に着目し、美しい地域の暮らしを持続させるすまいを提案した。そして、これが日本の中山間地域の問題解決の糸口として発展することを目指した」という提案。片山和俊審査委員長は「作品を読み込んでいくいくうちに、普通の夫婦が自然の中で身近にある恵みをていねいに掘り起こし、巡らせることで豊かな暮らしをつくり出していけると感じさせる提案と分かってくる」「小さなスケールやアイデアでも筋を通して集めると、独特な魅力を創出できることを示している」などと評価している。
 対象は建築教育課程のある工業高校、高等学校、工業高等専門学校(3年生まで)とし、教員が監督、在校生を選手とするチーム編成で応募する。実施に当たっては、国土交通省と全国工業高等学校長協会の後援を得るととももに、同協会のジュニアマイスター制度の認定プログラムにも指定されている。
 優勝以外のベスト8は次のとおり。

 〈準優勝〉
 ▽群馬県立桐生工業高等学校=「売るのは文化!」「遊び心とお祭り気分!」買場紗綾市活性化計画案
 〈審査委員長特別賞〉
 ▽北海道名寄産業高等学校=一致団結
 〈教育・事業委員長特別賞〉
 ▽奈良県立奈良朱雀高等学校=奈良秋篠 エコビレッジ
 〈入賞〉
 ▽青森県立青森工業高等学校=学生シェアハウス+アンテナショップ「青森屋」全国展開プロジェクト
 ▽山梨県立甲府工業高等学校(定時制)=温室のある暮らし~ハウス果物を農家の人と共に作る~
 ▽三重県立津工業高等学校=花火職人が繋ぐ同郷の家~帰る故郷をなくさないために住まいにできる役割~
 ▽愛媛県立松山工業高等学校=猫と青島と借りぐらし
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【3次元計測】3学会が枠超えシンポ 協力して知見を発信、産業界とのコラボも視野に 3次元計測に対する産業界のニーズが高まりを見せる中で、レーザースキャニング技術と写真測量技術の研究者たちが協力し合い、その知見を積極的に発信する動きに発展している。 9月に東京都文京区の東京大学山上会館で開かれた3次元計測の研究成果を集めたシンポジウム「3Dレーザースキャニング&イメージング」。主催した動体計測研究会(会長・近津博文東京電機大教授)は、日本写真測量学会(同)と精密工学会大規模環境の3次元計測と認識・モデル化技術専門委員会(委… Read More
  • 【現場見学会】工学系学生18人が大型事業現場の迫力を体感 日建連北陸 日本建設業連合会北陸支部(守田進支部長)は9日、工学系の大学生を対象とする現場見学会を開いた。建設界の入り口に立つ学生たちは、新潟県内で展開される大型事業に触れ、社会資本の役割と建設産業の魅力を再認識していた。  今回の現場見学会には新潟大から8人、長岡技術科学大から10人の計18人が参加した。 最初に訪れたのは、JR新潟駅付近連続立体交差事業(事業者・新潟市)の一環として、鉄建・前田建設工業・東亜建設工業・加賀田組JVが施工しているJ… Read More
  • 【左官職人体験】キッザニアで左官工法の塗り壁をPR 東左連が指導 東京都左官組合連合会(石川悦夫会長)は、キッザニア東京の期間限定イベント「KidZania Tokyo 8th Anniversary-匠のものづくりフェア」で、左官工法による塗り壁をPRしている。 期間限定イベントは、2006年10月のオープンから8周年を迎えた「子どもが主役の街・キッザニア東京」が、子どもたちが体験を通して日本の技術や文化に興味を持ち、関心を高める機会を提供することを目的に1日から15日まで開催している。  今回は「ファ… Read More
  • 【現場見学会】新函館北斗駅現場の最新技術を目の当たりに 工高生ら積極的に質問 日本建設業連合会は9日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構発注の新函館北斗駅新築工事現場で、現場見学会を開いた。函館工業高校建築課2年生ら40人が参加し、最新の建築技術が駆使されている工事現場を興味深く見学した=写真。  見学会では、日建連の大貫富夫常務執行役員があいさつし、「現場のスケールの大きさを肌で感じて、特に女性の方には建築技術者として将来の方向性を見つけていただきたい」と見学会の成果に期待した。 Norm… Read More
  • 【G空間EXPO14】測量関係4団体が地理空間情報フォーラム開催 11月13日~15日 「G空間EXPO2014」が11月13日から15日までの3日間、東京都江東区の日本科学未来館で開かれる=写真。その中のイベントの1つとして、日本測量協会など測量関係4団体が、地理空間情報フォーラム2014を開く。  EXPOは、「地理空間情報科学で未来をつくる」をテーマに、測量関係団体や内閣府、国土交通省などで構成する運営協議会が主催し、今回で4回目となる。 フォーラムは、企業、団体、機関などの展示・体験イベントなどにより、日本のG空間社会… Read More

0 コメント :

コメントを投稿