2015/03/28

【NTTコムウェア】電子地図に直接入力で“どこでも災害対策本部”が可能! 老朽化対策にも

電子地図に直接手書きし、情報を記録したり共有できるコンピューター技術「タンジブル・ユーザ・インタフェース」。NTTコムウェアは、この技術を防災対応やインフラ老朽化対策に生かそうと、提案活動を強化していく。情報の入力にコンピューターの知識が必要なく、紙情報に比べ情報の共有や指示、記録の保存なども容易になる。機器は持ち運びができ、作業シートを広げれば“どこでも災害対策本部”になることを、同社は強くアピールする。自治体や企業の災害対応ツールとして提案するだけでなく、道路管理者に構造物の維持管理に活用してもらうことを想定している。

 同社の開発した「タンジブル災害対策支援システム」は、机に置いたパレットシートに電子地図を映写し、そこにデジタルペンで状況などを書き込める仕組み。専用のペンで地図に線や囲みを描くと、描いた部分の実際の距離や面積を自動算定する。被害のある場所をペンで囲めば、その区域が地図上で明確になり、避難誘導が容易になる。線を引けば距離も分かるため、どの避難経路が最適か判断できる。被害区域の面積が分かれば、救援活動に必要な物資量の手がかりにもなる。システムには任意の地点の情報を蓄積でき、避難場所に備蓄している食糧や毛布の量なをしたか記録が残り、対応のフォローや反省点の検証、次世代へのどを記録し、避難をサポートするなどの効果もある。
 システムにより、情報の集約化や履歴の記録が容易になる点もメリットだ。災害発生時には複数の情報が錯綜し、伝達手段も電話やメール、ファクスなど多様な方法が見込まれる。システムに情報入力を一本化すれば、電子地図の前に関係者が集まり、それぞれの情報の関連づけや多くの関係者での共有ができ、指示系統も円滑になる。さらに、災害に対しどういった対応災害の伝承にも効果があるとみている。
 同社はシステムでの情報共有機能を強化するため、昨年10月にタブレット型端末とシステムを連動できるように改良した。端末を持った担当者が被害現場から情報を入力するとシステム本体の電子地図ともリアルタイムで連動でき、本部と現地の連絡も正確なものになる。
 こうした機能を生かし、災害対応に当たる自治体やBCP(事業継続計画)を策定する企業などに提案していく考え。既に消防本部での活用や住民との避難訓練への展開などを始めた自治体があるなど、引き合いは強い。こうしたケースを足がかりに、活動を展開する。
 また、インフラ老朽化対策への活用では、道路の地点ごとに点検した日程や設備を交換したタイミング、劣化の状況などを記録できる点を生かす。地図上にプロットすれば、対応の履歴も明確になるため、今後の対策も立てやすくなる効果も見込まれる。このため同社は、道路管理者にもターゲットを広げ、システムの活用をPRしていく。
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