2015/03/18

【災害対応小型ロボ】同時に動く4本のアームと4輪クローラ「Octopus」 早大と菊池製作所が開発

早稲田大学の次世代ロボット研究機構(機構長・藤江正克教授)と菊池製作所(東京都八王子市)は、災害現場での人命救助やがれき除去などに活躍する小型無人作業ロボット「Octopus(オクトパス)」を開発し、同社南相馬工場(福島県南相馬市)で公開した。自在に動く4本のアームを持ち、複雑な段差地形や狭い現場にも対応できるよう4輪クローラで動く。

 オクトパスは高さ1.7m、重さ700㎏で、8本の手足を持つタコのイメージから命名した。アームには岩石切断用のファイバーレーザーや、がれきや廃棄物をつかむグラップルなどを装備でき、地震や津波、噴火などさまざまな災害現場での活用を想定している。
 大きな段差を乗り越える場合、後ろ2本の腕で体を支えながら、クローラと前2本の腕を使ってよじ登る。4本の腕を全て使えば、本体を地面から浮かせることもできる。
 4本の腕を同時に動かすことができるロボットは「世界的にも珍しい」(早大)という。2人がかりで遠隔操縦する必要があるものの、将来的には1人で操縦できるようにする計画だ。
 南相馬市でプレゼンテーションした藤江教授は、「ロボットで災害や超高齢社会の課題を打破し、福島県の新しい産業基盤の創出に貢献したい」と話した。
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