2015/03/24

【村野藤吾賞】妹島和世氏が受賞 暮らしと現代美術が共存する犬島「家プロジェクト」

村野藤吾記念会(谷口吉生代表)は、第28回村野藤吾賞の受賞者を建築家の妹島和世氏に決めた。5月15日に東京都目黒区の目黒区総合庁舎で授賞式と妹島氏による記念講演会が行われる。
 受賞作品の犬島「家プロジェクト」(岡山市)=写真、提供:妹島和世建築設計事務所=は、高齢化と過疎化が進む瀬戸内海の小島・犬島で、使われなくなった民家をそれぞれの敷地でギャラリーに置き換えるプロジェクト。

妹島和世氏
既存民家の改装、部材の再利用、アクリルやアルミを使った新築などさまざまな形式で、人々の暮らしと現代美術が共存する風景を生み出している。計画は2008年から始まり、現在までに6棟が建設されている。さらに、これからも新しいギャラリーや宿泊施設が予定されているという。

写真提供:妹島和世建築設計事務所
授賞に当たっては、「『家プロジェクト』における設計のあり方は、犬島の現状を受け入れるだけではなく、高齢化に蝕まれて失われつつある生活の文脈を再生しようとさえしている」「その文脈の読み取りの精度、介入の態度の繊細さと、結果として生まれた建築の魅力は特筆すべきものがある。ここに、建築家の新しい規範を見る気がした」ことなどが評価された。選考委員は、谷口吉生、赤坂喜顕、乾久美子、小林照雄、千葉学の5氏が務めた。
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