大津波による壊滅的な被害から4年。宮城県女川町の「まちなか再生」が大きな一歩を踏みだした。21日にJR石巻線が全線で運転を再開。これにあわせて女川駅の新駅舎と町営の温泉施設を合築した新たなにぎわい拠点では「おながわ復興まちびらき」が開かれ、中心市街地での復興まちづくりが本格化することを内外にアピールした。写真は完成した駅舎の前でテープカットする代表者ら。
JR石巻線は、震災によって小牛田(こごた)~女川間の44.7㎞全線が不通となったが、東日本旅客鉄道(JR東日本)では内陸の小牛田駅側から段階的に運転を再開。最後の1区間となる浦宿~女川間2.3㎞は、同街の中心市街地での造成工事の進捗に合わせて線路の移設や駅舎建設工事を進めてきた。
新しい女川駅と22日に開業した温泉施設「ゆぽっぽ」の複合施設の規模は、S一部木造3階建て延べ899㎡。壁面に木材をふんだんに活用したぬくもりある施設となっており、膜構造の屋根は、町鳥であるウミネコがはばたく姿をイメージしたデザインとなっている。設計は建築家の坂茂氏(坂茂建築設計代表)が担当した。施工は戸田建設。
同町は早期復興に向け、女川浜地区の同駅を中心に公共施設や商業施設などを集約したコンパクトな市街地再生を目指す。
復興まちづくりに当たっては、都市再生機構(UR)とパートナーシップ協定および復興まちづくり事業協定を締結しており、復興事業としては初めてCM(コンストラクション・マネジメント)方式を活用。他の沿岸被災地に先行して市街地の面的整備を進めている。
区画整理事業の計画面積は合計で226.4ha。震災から4年で市街地再生の本格始動ににこぎつけるなど、スピード感のある事業を展開。CMR(コンストラクション・マネジャー)は、URから受託した鹿島・オオバJVが担当している。
女川駅前広場から女川湾に向かって整備するプロムナードは長さ370m(本体は約170m)で、駅および周辺の拠点施設をつなぐシンボル空間となる。2015年内に完成させる予定だ。沿道には公民連携による中心市街地の商店街再生に向けた核となるテナント型商業施設や地域交流センターなどの整備が予定されている。
この日の式典には、須田善明女川町長や竹下亘復興相、村井嘉浩宮城県知事、深澤祐二JR東日本代表取締役副社長、坂氏ら関係者約200人が出席。須田町長から複合施設の設計を担当した坂氏や戸田建設の甲谷恭輔所長らに感謝状が手渡された後、代表者によるテープカットとくす玉開披が行われ、詰めかけた多くの町民とともに町の再生へ思いを新たにした。
式典の冒頭、須田町長は「造成の進捗率は4割ほどで、復興はこれからだが、多くの方々のご尽力により、被災した場所がこのように再生できた」とし、「駅から海側のゾーンは既に建物の建築が可能な状態となっており、年内には各業者によるテナントや商店街、町民による住宅再建など、このエリア一帯を中心に本格的な再建が始まっていく」と事業の伸展に期待を寄せた。
深澤副社長は「地域住民と復興に携わる皆さまの足として、また仙台や全国から多くの方々に女川の地に訪れていただけるよう、安全・安定運行に努めていきたい」と語った。
竹下復興相は「新駅舎の完成と路線の再開により、女川町は新しい一歩を踏み出すことを確信している。世界に誇れるふるさとを皆さんと一緒につくり上げていきましょう」と祝辞を寄せた。
この後、駅のホームで列車出発式が行われ、佐々木和夫石巻駅長が「女川町の未来に向けて出発進行」と号令を発し、女川小の児童らを乗せた電車が汽笛とともに女川駅を出発すると、参加者から大きな拍手が沸き起こった。
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JR石巻線は、震災によって小牛田(こごた)~女川間の44.7㎞全線が不通となったが、東日本旅客鉄道(JR東日本)では内陸の小牛田駅側から段階的に運転を再開。最後の1区間となる浦宿~女川間2.3㎞は、同街の中心市街地での造成工事の進捗に合わせて線路の移設や駅舎建設工事を進めてきた。
新しい女川駅と22日に開業した温泉施設「ゆぽっぽ」の複合施設の規模は、S一部木造3階建て延べ899㎡。壁面に木材をふんだんに活用したぬくもりある施設となっており、膜構造の屋根は、町鳥であるウミネコがはばたく姿をイメージしたデザインとなっている。設計は建築家の坂茂氏(坂茂建築設計代表)が担当した。施工は戸田建設。
新たなまちづくりが進む駅周辺部。 |
復興まちづくりに当たっては、都市再生機構(UR)とパートナーシップ協定および復興まちづくり事業協定を締結しており、復興事業としては初めてCM(コンストラクション・マネジメント)方式を活用。他の沿岸被災地に先行して市街地の面的整備を進めている。
区画整理事業の計画面積は合計で226.4ha。震災から4年で市街地再生の本格始動ににこぎつけるなど、スピード感のある事業を展開。CMR(コンストラクション・マネジャー)は、URから受託した鹿島・オオバJVが担当している。
女川駅前広場から女川湾に向かって整備するプロムナードは長さ370m(本体は約170m)で、駅および周辺の拠点施設をつなぐシンボル空間となる。2015年内に完成させる予定だ。沿道には公民連携による中心市街地の商店街再生に向けた核となるテナント型商業施設や地域交流センターなどの整備が予定されている。
この日の式典には、須田善明女川町長や竹下亘復興相、村井嘉浩宮城県知事、深澤祐二JR東日本代表取締役副社長、坂氏ら関係者約200人が出席。須田町長から複合施設の設計を担当した坂氏や戸田建設の甲谷恭輔所長らに感謝状が手渡された後、代表者によるテープカットとくす玉開披が行われ、詰めかけた多くの町民とともに町の再生へ思いを新たにした。
須田女川町長 |
深澤副社長は「地域住民と復興に携わる皆さまの足として、また仙台や全国から多くの方々に女川の地に訪れていただけるよう、安全・安定運行に努めていきたい」と語った。
竹下復興相は「新駅舎の完成と路線の再開により、女川町は新しい一歩を踏み出すことを確信している。世界に誇れるふるさとを皆さんと一緒につくり上げていきましょう」と祝辞を寄せた。
この後、駅のホームで列車出発式が行われ、佐々木和夫石巻駅長が「女川町の未来に向けて出発進行」と号令を発し、女川小の児童らを乗せた電車が汽笛とともに女川駅を出発すると、参加者から大きな拍手が沸き起こった。
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