2015/03/27

【動画ニュース】「バランスおもり」のない自然換気窓 YKKAP


 YKKAPは、省エネ要求の高まりを受け、ビル用の自然換気窓製品を刷新する。開いた状態を保つために欠かせなかったバランス調整のおもりを業界で初めて取り除き、スリムな意匠性で他社との差別化を図る。26日の会見で、堀秀充社長は「開けば自然換気、閉じれば高性能のスリムな窓が完成した」と市場開拓の手応えを口にした。校舎や体育館など学校施設を中心に導入ニーズが高く、4月10日から販売し、現在3億円の受注を2年後に10倍規模の30億円まで引き上げる。

 自然換気窓『バランスウェイ』は、ビル用窓の基幹商品「EXIMA31」シリーズのライアンアップとして位置付ける。窓の障子は45度に開いた状態でバランスを保つように設計され、逆風には内部への吹き込みを自動で抑制し、雨や強風の時にはセンサー感知によって障子を自動閉鎖する。
 業界で初めてバランス調整のおもりを取り除いたことで、65%の軽量化に成功し、コストベースでは従来比35%減を実現した。従来品は6mm厚の複層ガラスに対応していたが、12mm厚の設置を可能にしたことで、閉鎖時の断熱性レベルも引き上げた。堀社長は「春と秋には日本の心地良さを感じ、夏と冬には断熱と遮熱の役割を担える自信作」と説明した。
 自然換気窓は建物上部に設置され、室内外の温度差で空気の流れをつくり出すもので、空間連続性のある校舎、体育館、庁舎、図書館などで採用が拡大している。同社は設計事務所や自治体への売り込みをスタートしており、2015年度に5億円、16年度に30億円の受注を目指す。
 従来品は停電時に窓の開閉ができない課題があったが、非常時に手動で対応できる機能も加えた。安田浩商品企画部ビル商品企画グループ長は「学校施設が防災拠点に使われるケースが多く、停電時の対応が強く求められていた」と話す。価格は幅1000mm、高さ800mmのサイズが34万7000円。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

0 コメント :

コメントを投稿