2015/12/02

【建築】「3つの輪」で有機的につながる松阪市新健康センター 白川設計


 白川設計(横浜市中区、白川幹社長)は、「発想力を培う」ことを視野に入れ、近年、積極的に設計競技に参加している。2014年には三重県松阪市の「新健康福祉センター公開設計競技」で優秀賞に選ばれた。写真はその時のパース。

 惜しくも最優秀賞を逃したが、2次選考に残った他事務所の提案はすべて吹き抜けを使った3層以上で、「求められる、さまざまな機能を結び付けるために苦労したが、周辺住宅地に配慮した2層のコンパクトな建築物を提案した。これで動線のつながり、外部から入りやすい空間、利用者の視認性向上、イニシャルコストとランニングコストの低減も生み出した」と提案への評価に手応えを感じる。
 提案作成に当たっては「地域との輪」「利用者と建物の輪」「外と中の輪」の3つの輪を設計方針に掲げた。休日・夜間応急診療所としての24時間対応、大人から子どもまでを対象にした保健部門、交流部門、診療所などの多様な機能の配置が求められており、動と静による「足し算のゾーニング」で空間を構成した。
 低層建築物の中心にホールを配置して高齢者や子どもへの視認性を高め、ロッジア(一方の側が外に開かれた廊下)を使って各施設を有機的に結び付けた。建物外部や建物内部の天井などには松阪産の木製ルーバーを配し、ロッジアやテラス、バルコニーを柔らかく包み込み、温かみと透明感のある開放感と親しみを醸し出している。
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