昨年8月に清文社が刊行した写真集『土木女子!』。建設業界で目にした人も多いだろう。ゼネコンの現場を始め、国土交通省や愛知県、東日本旅客鉄道などの発注者、専門工事業などで働く女性を活写した1冊だ。
1月に鹿島初の女性所長となった須田久美子さんも登場しており、「きちんとスタイリストも同行し、真摯(しんし)なインタビューが印象に残っている」と、本書の取材体制を評価する。
この『土木女子!』をつくったのも、実は女性編集者だ。発行元の清文社は、税務関係の書籍などを主に扱う出版社。編集した大久保彩音さんも、日ごろは相続税や贈与税に関する書籍を手掛けている。
きっかけは、建設専門紙に登場する女性技術者の記事という。「この人たちをもっと世に出してあげたい」と思い立ち、一昨年の4月に企画書を上司に提出。真剣に「出版する方向」で検討が始まった。「会社の理解があったからこそですね」と、振り返る。
土木学会の協力も得て、候補現場は次々に決まっていった。同時に会社としても公募し、応募者も順調に集まった。
写真集には約20カ所の現場が登場するが、ほとんどの現場へカメラマン、スタイリストとともに乗り込んだ。
訪ねた先は、関東だけでなく、大阪、愛知、香川など地方にも及ぶ。
ある女性技能者からは、「スタイリストは要りません。いつもと同じでいい」という、仕事に賭ける迫力を感じた。別の現場では、常に協力会社の中心で雰囲気を醸し出す女性技術者とも出会った。
インタビューを重ね、多くの女性技術者・技能者を取材する中で感じたことは「女性だからと頑張っている人は少ない。男女の別なく、同じ評価を望んでいる」ということだった。
すべての記事を取材・執筆し、上梓が迫ったころ、表紙写真の選定が始まった。土木を代表するシールド現場の写真を使うことは決まったが、どのカットにするかが課題だった。実際に本を売る営業マンとも話し合い、被写体の顔を大写しにせず、背後のトンネルとの調和を尊重したカットに決めた。
日本建設業連合会(日建連)は、ことし1月に女性技術者・技能者の愛称である「けんせつ小町」のロゴマークを定めた。女性に対する建設産業界の期待は、日ごとに高まっている。
編集女子がつくった土木女子の写真集も売れ行きは上々だ。
◆土木女子!/清文社/1400円+税別
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1月に鹿島初の女性所長となった須田久美子さんも登場しており、「きちんとスタイリストも同行し、真摯(しんし)なインタビューが印象に残っている」と、本書の取材体制を評価する。
この『土木女子!』をつくったのも、実は女性編集者だ。発行元の清文社は、税務関係の書籍などを主に扱う出版社。編集した大久保彩音さんも、日ごろは相続税や贈与税に関する書籍を手掛けている。
写真集『土木女子!』を企画し、つくりあげた清文社の大久保彩音さん |
土木学会の協力も得て、候補現場は次々に決まっていった。同時に会社としても公募し、応募者も順調に集まった。
写真集には約20カ所の現場が登場するが、ほとんどの現場へカメラマン、スタイリストとともに乗り込んだ。
訪ねた先は、関東だけでなく、大阪、愛知、香川など地方にも及ぶ。
ある女性技能者からは、「スタイリストは要りません。いつもと同じでいい」という、仕事に賭ける迫力を感じた。別の現場では、常に協力会社の中心で雰囲気を醸し出す女性技術者とも出会った。
インタビューを重ね、多くの女性技術者・技能者を取材する中で感じたことは「女性だからと頑張っている人は少ない。男女の別なく、同じ評価を望んでいる」ということだった。
すべての記事を取材・執筆し、上梓が迫ったころ、表紙写真の選定が始まった。土木を代表するシールド現場の写真を使うことは決まったが、どのカットにするかが課題だった。実際に本を売る営業マンとも話し合い、被写体の顔を大写しにせず、背後のトンネルとの調和を尊重したカットに決めた。
日本建設業連合会(日建連)は、ことし1月に女性技術者・技能者の愛称である「けんせつ小町」のロゴマークを定めた。女性に対する建設産業界の期待は、日ごとに高まっている。
編集女子がつくった土木女子の写真集も売れ行きは上々だ。
◆土木女子!/清文社/1400円+税別
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