2015/03/02

【本】まちが「どうあるべきか」こそ考えよ 山村真司著『スマートシティはどうつくる?』


スマートシティーの定義はまだないが、狭義では「ICT(情報通信技術)を活用したエネルギー等資源の最適化を図れる都市」と位置付ける。グローバルスタンダードの主導権を握るため、世界的に取り組みが活発化している。欧州は定義化・標準化の動きが見られ、中国は知恵城(スマートシティー)のための評価指標構築が進んでいるという。

 現状の問題点として、個別の技術や製品のアピールが目立ち、「スマート化という新たなコンセプトに基づいて誕生するまちやコミュニティーが、どのような変化を見せるのか」が議論されていないと指摘する。つまり、住む人や仕事をする人にとって、まち全体がどうあるべきかという本来の視点が欠如しているわけだ。
 スマートシティーの技術紹介で、最先端ばかりでなく緑の役割を高く評価しているのも興味深い。ヒートアイランド現象を軽減するほか、心理的にもストレスを緩和して快適性を向上する効果を挙げている。(工作舎・1200円+税)

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