2016/03/01

【アバン設計】雪の重みも強風にも対応! 躯体を復元する補強金具『制震装置 BOSHIN』


 アバン設計(千葉県松戸市、伊東昌幸代表取締役)が木造在来工法の戸建て住宅向けに開発した制震補強金具『制震装置 BOSHIN』が全国で広がりをみせている。同社によると、揺れを減衰するだけでなく、「他社の制震装置にはない」という躯体を復元する機能を持たせている。3枚のステンレス板バネというシンプルな形状により従来品より安価で新築、改修を問わず容易に設置できることから30都府県内で採用が進む。

 BOSHINは、弓形の弧が違う3枚の板バネが相互干渉することで「はずまないバネとなって揺れを吸収する」。他社製品が「強震は防いでも長い周期の地震に対応していない」のに対し、BOSHINは「周期を選ばない」のが強みだ。
 「いくら揺れを吸収しても建物が元に戻らないと意味がない」ことから、高い復元能力を持たせた。バネの形状記憶により建物がゆがんでも元に戻るため、余震が何度も起きる場合に特に威力を発揮する。
 兵庫県内の特約店が阪神・淡路大震災で15mm傾いた家にBOSHINを設置したところ、「真っすぐに戻った」事例が出たほどだ。
 その復元力は、地震だけでなく強風に対しても有効なほか、さらには雪の重さによる変形も防ぐことができるため、「新潟からの注文が多い」という。一般的な住宅なら35坪で16基必要だが、積雪地なら32基あれば対応できる。
 ステンレス製のため、メンテナンスが不要で、施工面でも柱と梁桁、柱と土台の交点にコーチボルトで固定するだけと簡単だ。坪単価は1万円を下回る。
 リフォームの場合でも、ボードをすべて剥がす必要はなく、設置個所のボードを45cm四方切るだけで十分施工できる。
 地域の工務店がどこにBOSHINを設置すれば分からなくても、家の図面を送ればアバン設計は無料で配置計画を示してくれる。
 2006年から自社が受注した設計・施工一括案件で採用を開始し、東日本大震災後、急激に全国各地に普及した。伊藤代表は「今後も特約店を増やし、エリアを広げていきたい」と意気込む。5月には、東京ビッグサイトで開かれる住宅ビジネスフェア2016に出展する予定だ。
◆アバン設計 千葉県松戸市河原塚431-39。電話047-311-3344。
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