2016/10/04

【復興特別版】月進掘削長233mは日本記録! 三陸沿岸道最長の吉浜釜石道路新鍬台が貫通


 東北地方整備局が、復興のリーディングプロジェクトとして整備を進めている三陸沿岸道路で最長となる吉浜釜石道路・国道45号新鍬台トンネルが待望の貫通を迎え3日、岩手県大船渡市と釜石市にまたがる現地で式典が開かれた。施工は前田建設が担当。今後、覆工コンクリート工事などを進め、2017年3月の完成を目指す。

 吉浜釜石道路は、三陸沿岸道路の一部をなす約14㎞の自動車専用道路。完成すれば既存の現国道45号の急カーブ・急勾配を解消し、走行性、安全性が向上する。
 貫通した新鍬台トンネルは、本坑長さ3330m、掘削断面積は115㎡の規模。同社では、長大トンネルを効率よく掘削するため、大型・特殊機械の導入や、ICT(情報通信技術)の活用による高速施工に取り組んだ。
 特にICT活用では、最新鋭の全自動ジャンボや電子雷管・機械装填を採用したほか、ホイルローダー2台などを導入し、当時、日本記録の月進掘削長233m、現日本記録の月間ずり出し量2万6738m3を達成。15年3月の本格着工から約1年半の間、無事故・無災害で貫通にこぎ着けた。
 また、釜石市に同工事専用の生コンクリートプラントを建設し、復興事業が相次いでいる被災地の中でも、高耐久を誇る高品質のコンクリートを使用し、施工を進めている。
 式典には、山田哲也東北地方整備局道路部長や戸田公明大船渡市長、野田武則釜石市長、前田建設の福田幸二郎副社長や五十嵐勝美執行役員東北支店長、畑宏幸所長らが出席。起点側の大船渡と終点側の釜石の両市それぞれで代表者が発破スイッチを押すと、坑内にごう音が響き渡り、貫通が確認されると出席者から拍手がわき起こった。
 この後、発注者と地元関係者、工事関係者らが貫通点で通り初めを行ったほか、樽御輿(みこし)の行進や鏡開きなどが行われた。
 席上、発注者としてあいさつした山田部長は「月進掘削距離なども、何もかも突出したすばらしいトンネルだ。施設の完成後に向けて、吉浜釜石道路の活用方法を考えていきたい」とあいさつした。
 福田副社長は「当社の技術を結集した高速施工により、約1年半の期間で掘削を終えることができた。最後まで気を引き締めて、高品質・高耐久のトンネルを無事故・無災害で完成させたい」と謝辞を述べた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【丸山工務所】MG・MCを土工現場に発導入、省力化を実感! ICT化もOPの技術は必要  丸山工務所(本社・新潟県十日町市、丸山浩社長)は、道路改良に伴う掘削・法面整形で、マシンガイダンス機能を搭載したバックホウ(MG・MC)を同社として初めて使用した=写真。広田真澄土木部長代理はメリットと本格導入への課題を挙げながら、「当社としても情報化施工の流れに的確に対応する必要がある」と強調する。i-Construction(アイ・コンストラクション)を始め、公共土木工事のICT(情報通信技術)化が進む中、現場での効果などを追った。… Read More
  • 【中原建設】日大土木工学科3年生が情報化施工を見学! 若手技術者活躍の2現場  中原建設(埼玉県川口市)は日大生産工学部土木工学科3年生を対象に、建設業の意義や魅力を伝えようと、工事現場見学会を開いた=写真。現場は関東地方整備局の首都圏氾濫区域堤防強化対策事業の一環として同社が施工する「H27栗橋北地盤改良工事」と「H26釈迦堤防強化(上)工事」の2件で、同局利根川上流河川事務所の協力を得て、堤防強化対策の意義や最新の情報通信技術などを参加した学生16人に実感してもらった。  H27栗橋北地盤改良工事では、大型地盤… Read More
  • 【現場最前線】列車運行しながら地下道構築のHEP&JES工法 東鉄工業のJR常磐線立体交差  東鉄工業が施工する、JR常磐線内原~赤塚間の水戸市赤塚地区と同線常陸多賀~日立間の茨城県日立市多賀地区での線路下横断工事が最盛期を迎えている。いずれも東日本旅客鉄道(JR東日本)水戸支社が発注し、内原~赤塚間の赤塚西跨道橋=写真=は東鉄工業・鴻池組JVが、常陸多賀~日立間の野際跨道橋は東鉄工業・三井住友建設JVがそれぞれ担当している。  ともに、列車を運行しながら非開削で線路下に地下道をつくるHEP&JES工法を採用した。1辺が約90c… Read More
  • 【新千歳空港】深夜作業で耐震化! 大規模災害から守る 大規模地震災害への対応が全国的に求められている中、北海道の空の玄関口である新千歳空港では、空港施設の耐震化が進められている。地震発生時の被害を小さくし、早期に空港を再開できるようにするため、滑走路と誘導路地下にある河川函渠の耐震補強工事や、周辺地盤の液状化対策工事に取り組んでいる。特に液状化対策工事は、航空機の発着がなくなる午後11時から午前6時までの真夜中の作業を余儀なくされ、事業主体である北海道開発局札幌開発建設部は計画的な工程で工事に… Read More
  • 【亜炭鉱跡対策】巨大地震に備えよ! 陥没まねく亜炭坑跡を「限定充填工法」で対策 かつて亜炭の一大産地があった岐阜県はことし3月、資源エネルギー庁が実施する南海トラフ巨大地震亜炭鉱跡防災モデル事業の補助対象に選定された。発災が懸念されている南海トラフ巨大地震に備え、対象地区となった御嵩町や県、国が共同で取り組む亜炭鉱跡対策のモデル事業を追った。  日本各地に埋蔵する亜炭は、江戸時代から1970年代まで燃料として盛んに採掘されてきたが、エネルギー革命などにより産業が衰退し、廃坑空洞が残された。東海3県では、亜炭廃坑の総面… Read More

0 コメント :

コメントを投稿