早稲田大学芸術学校(東京都新宿区)の在校生3人が、早大理工学部の学園祭、第62回理工展で、木造パビリオンを制作・出展した。「IN THE LOOP」と名付けられたパビリオンは、合板を使って5.5m四方の巨大なルーフを、球体で切り欠いたモチーフとなっている。7、8日の2日間にわたって中庭で公開された建築に、多くの来場者が安らぎを求めた。
パビリオンを制作したのは同校の在校生、杉拓磨さん、平井七々子さん、新田ベンさんの3人。5460mm四方の正方形に、「直方体の四方を球で切り欠き、四方に開放性を持たせた。また、環が外部に拡散していくイメージを表現した」という。
設計のポイントは、使用している円弧を連続させて限られた予算の中で合板を無駄にせず効率的に切り出せる点だという。
3人は十数万円程度の予算で合材を調達し、設計図面をもとに割付図を製作、ジグソーで切り出して数日で施工した。
同校の非常勤講師である佐々木睦朗構造計画研究所の犬飼基史氏は「学生だけで設計から施工までを完結させる意志が、(それを助ける)建築家や施工者を動かした。そこでの出会い、達成感から学ぶものがきっと今後の彼らに役立つと思う」とコメントしている。
また同非常勤講師の百武ひろ子プロセスデザイン研究所代表も「円弧の持つリズムと浮遊感に同期し不思議な感覚になります」と話している。
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