2015/11/16

【パナソニック】平等院鳳翔館にLED照明400台納入 国宝の「本来の色」再現する特注品


 パナソニックのエコソリューションズ社は12日、平等院(京都府宇治市)の博物館「平等院鳳翔館」にLED(発光ダイオード)照明器具約400台を納入したと発表した。これまで設置していた照明と比べ、消費電力を約70%、ランニングコストを約82%削減した。同ミュージアムで公開されている「梵鐘」や「鳳凰像」などの国宝展示について、個別の特性に合わせたカスタムメードの商品も開発し、作品の特徴・魅力を引き出している。写真は国宝「梵鐘」について説明する木下史青室長(右)と神居文彰平等院住職。

 今回の照明演出は、東京国立博物館学芸企画部企画課デザイン室の木下史青室長が監修した。国宝の「梵鐘」を始めとした照明には、展示物の本来の色を忠実に再現できる「美光色」機能を追加した調光グレアレスユニバーサルダウンライトの特注品を開発。平均演色評価数が「Ra95」と高い演色性を実現した。
 また、光の照射方向や範囲・明るさをリモコンで調整できるシューティングスポットライトも設置しており、多彩な演出が可能。展示内容を変更する際には高所作業が不要となる。
 平等院は、約1000年前に建立され、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。建造物や仏像、彫刻、絵画を所有しており、鳳翔館には、国宝の鳳凰堂壁扉画や梵鐘、鳳凰像、雲中供養菩薩像など、貴重な遺産を収蔵、展示している。
 同社のライティング事業のうち、美術館・博物館向けの商品は、ハード設計と照明のソフト技術の組み合わせにより、展示物に優しい灯りや現場ニーズに合わせた形状・配光制御、使いやすさにこだわった操作ツールなどを提案している。
 国内では千葉県立美術館や上田市美術館、厳島神社、国外はエルミタージュ美術館(ロシア)やプラハ城(チェコ)に納入実績がある。国内の全国7カ所に専門部署を配置し、提案体制を整えている。
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