2015/11/09

【ダム見学会】大スケールを体感! 福岡県・五ケ山ダムと京都府・天ヶ瀬ダム

◆大牟田高校土木科2年生34人と教諭2人が見学
 福岡県が建設を進めている五ケ山ダムの現場見学会が6日、福岡県那珂川町で開かれた。現場を訪れたのは大牟田高校土木科2年生34人と教諭2人。福岡県建設業協会(岩崎成敏会長)の協力を得て実施。生徒は施工中の大規模工事現場を訪れるのは初めての経験で、ダム工事のスケールの大きさを体感していた。

 五ケ山ダムは、下流域の洪水被害の防止、福岡都市圏への水道用水の供給、異常渇水時の緊急補給、流水の正常な機能の維持などを目的とし、総貯水量4020万m3で完成すれば県営ダムで最大規模となる。施工はダム堤体建設工事を鹿島・飛島建設・松本組JV、骨材製造工事を大成建設・安藤ハザマ・松尾建設JVが担当。ダム堤体建設には全国で初めてコンクリートダム合理化施工方法の巡航RCD工法を全面展開し、打設期間の大幅な短縮を実現した。工事は終盤を迎えており、コンクリート打設の進捗率は9月末で約96%、年内にも打設を完了する。骨材製造工事は来年から設備の解体作業に入り、2016年6月末の完了を予定している。
 見学会では、福岡県五ケ山ダム建設事務所工務課の今村茂技術主査が五ケ山ダムの施工状況や概要、建設の経緯、ダムの役割などを説明し、鹿島JVの林健二所長、大成JVの山下益副所長がそれぞれの工事の流れや工法をビデオで分かりやすく解説した。その後、工事が進むダム堤体を見学した=写真。生徒からは1日の勤務時間や休暇の状況など就職も考えた気になる質問が出されたほか、女子生徒は女性技術者の数などを聞いていた。大規模ダム工事を目の当たりにして「いい経験になった」と建設業への意欲を高めていた。
 同ダムは堤高102.5m、堤頂長556m、堤体積約93万5000m3の重力式ダム。今後試験湛水などを進め、17年度の完成を目指す。

◆立命館大4年生と留学生が社会資本整備を学ぶ

トンネル放流設備流入部


 日本建設業連合会と近畿地方整備局は5日、同局が京都府宇治市で進めている天ヶ瀬ダム再開発事業の現場で、見学会を開いた。立命館大学政策科学部の4年生や留学生ら19人が参加し、建設現場のスケールの大きさを体感した。
 冒頭、近畿地方整備局企画部の河元隆利課長補佐が「ダムの現場は普段の生活では見ることができないが、京都市の暮らしを守る重要な施設だ。きょうは貴重な経験として学んでほしい」とあいさつした。
 続いて、日本建設業連合会の永山貴一広報部長が「建設業の仕事は普段、一般の目に触れる機会がないため、協会では広報活動の一環として現場見学会を開いている。少しでも建設業や社会資本整備に興味を持ってもらえたらと思う」と述べた。

トンネル放流設備ゲート室部

 見学会では、はじめに近畿地方整備局が淀川水系ダムの洪水管理と天ヶ瀬ダム事業の全体概要について紹介した。その後、2班に分かれ、トンネル放流設備流入部建設工事(施工=大成建設)とトンネル放流設備ゲート室部ほか建設工事(施工=鹿島)の両現場を見て回った。
 流入部建設工事の現場では、中村泰介作業所長(大成建設)の案内で仮桟橋から施工現場を見学した。学生たちは工事で使用されている鋼管の大きさに驚いていた。水中での施工に導入している作業機「T-iROBO UW(アンダーウォーター)」についてビデオを見ながら説明を受けた。
 ゲート室部建設工事の現場では、山本明雄工事事務所長(鹿島)の案内で、掘削中の立坑部に下り、現場のスケールの大きさを体感した。
 見学後は、両現場とも多くの質問が寄せられ、丁寧に職員が答えた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿