2015/11/21

【豊田ロードセーフティー】柔らかく衝撃の少ない樹脂製道路反射鋲 自治体の導入進む


 道路のセンターラインなどに設置されている合金製の道路反射鋲に代わる反射リング「ケーズルリング工法」が、各地の自治体などで導入事例を増やしている。樹脂製の柔らかい素材のリング内周と外周に特殊な反射体を取り付け、360度どの方向から光を照らしても反射する。開発したのは豊田ロードセーフティー(本社・東京都中央区、佐藤隆社長)で、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)登録も行っている。

 開発した佐藤社長は、もともとカッターを扱う会社におり、それまで型枠を使って施工していた駐車場のリング状滑り止めを、コアマシンで施工する方法を開発した。その工法では、アスファルト舗装にもリング状滑り止めを施工できるため、「その滑り止めの溝に樹脂製のリングを装着すれば、反射鋲の代わりになる」ことを思いついたという。
 道路の中央線や外側線に設置されている合金製の鋲は、経年劣化で破損して反射板がはがれたり、鋲自体の段差が二輪車転倒の原因になるなどのデメリットがあった。
 ケーズルリングは、98%が柔らかな塩ビでできており、高さも1cmと低いので車両などへの衝撃が少ない。また施工後は養生せずに即時交通開放が可能なほか、仮にリングが一部欠損しても反射性能を維持できる。
 施工は、一般的なコアマシンに専用の切削用ビットを取り付け、指定深さまで切削、溝を清掃して高さ調整したリングを充填材を注入してはめ込むだけで完了する。合金製の鋲に比べ6割程度の施工時間ですむ。リングには施工手順書が添付してあるほか、動画サイトで施工手順も確認できる。一般的なコアマシンでの施工が可能なので、専用のビットだけ購入すればよく、施工会社も初期投資が抑えられるという。
 佐藤社長は、「地域で活動している地元の建設会社が、低い投資で工事を行え、利益を出せる体制をつくりたかった」と話す。
 ケーズルリング工法は、これまで三重県や愛知県、埼玉県などの市町の公共案件で施工実績があるほか、民間の駐車場でも導入が進んでいる。
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