2015/11/27

【旧国立駅舎】赤い三角屋根復活! 現在のJR国立駅前に再築、文化施設に


 赤い三角屋根で親しまれた旧国立駅舎を再築へ--。東京都国立市は、「旧国立駅舎再築事業」として、設計から施工までを一括して行う事業者を公募型プロポーザルで選定する。参加申込書などを、12月2日まで受け付ける。技術提案書の提出期限は、2016年1月28日。2段階の審査を経て、同年2月25日に事業者を決定する。20年2月の完成を目指し、現在のJR国立駅前に旧駅舎を再築、情報発信や交流機能を持った文化系施設として活用する。写真は2003年頃の国立駅舎。


 JR中央線の連続立体交差事業に伴い、06年に解体された同市指定有形文化財・建造物である旧国立駅舎を、保管している部材を使って大正15(1926)年開業当時の駅舎に再築する。部材の健全性や文化財としての履歴を調査し、その結果を施工まで反映させるため、既存部材の保有性能調査を含む基本設計から実施設計、施工まで一貫して担う高度な技術を持った事業者を選定することにした。
 参加資格は、単体企業で同市か東京都電子自治体共同運営の電子調達サービスの競争入札参加資格があり、建築一式工事の経営事項審査総合評定値1300点以上で1級建築士事務所登録していることなど。過去10年間に完了した国、都道府県、市町村が指定した文化財建物または歴史的建物で木造建築の復原、再築、保存、修理の建築設計と、工事(継続中を含む)の実績なども求める。実施要領は市ホームページに掲載している。
 旧駅舎は木造(大壁構造)平屋建て220㎡で、高さ12.39m。当時、国立を開発した箱根土地が建物をつくり、鉄道省に寄付した請願駅で、大正期の木造旅客駅舎となる。解体前はJR原宿駅舎(1923年竣工)に次いで現存する2番目に古いものだった。「赤い三角屋根(切妻大屋根)に白い壁」の外観にアーチ窓を組み合わせたデザインで、国立のシンボル的存在だった。市は、将来の復元に備え、解体後の柱や梁、窓枠などの部材を東日本旅客鉄道(JR東日本)から引き取り、保管してきた。建設地は、同市東1-1の敷地634㎡。
 技術提案書をもとに、審査委員会が16年2月9日に1次審査(書類審査)、同18日に2次審査(プレゼンテーション)を実施し、同月中に優先交渉権者を決定し、基本設計を委託する。17年1月から実施設計に入り、同年12月に工事仮契約を締結する予定。18年1月の本契約後に着工し、20年2月の完成を予定している。設計費と工事費を合わせた契約上限額は、2億9000万円に設定している。
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