経済産業省は2日、東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京で第6回「ものづくり日本大賞」の経済産業大臣賞と特別賞の表彰式を開いた。
建設関係では経済産業大臣賞に、森環境技術研究所の森雅人氏ら6人=写真=による「泥状津波堆積物(ヘドロ)を原料とした高機能性地盤材料の開発」など2件が輝いた。森氏らは、盛土としての使用が不適とされてきた有機質泥土(ヘドロ)に繊維質系泥土改良材と固化材を投入・撹拌することでガスの発生を抑制する技術を確立し、耐震性、耐久性に優れた高機能性地盤材料に再資源化する「ボンテラン工法」を開発した。
特別賞には、建設分野からシェルターの安達広幸氏ら2人による2時間耐火木構造部材「COOL WOOD」の開発など2件が選ばれた。
式典では、林幹雄経済産業相が「今回の受賞案件は、わが国のものづくり産業が見いだすべき方向性を指し示すものばかりだ。引き続き、ものづくり産業の模範として高度化や裾野の拡大に尽力していただきたい」とあいさつした。
このあと各賞の表彰に移り、林経産相が受賞者に表彰状を手渡した。
また、優秀賞には昭和テックスの吉永憲市氏ら6人による「簡便・低価格・高精度な打音検査装置の開発」など3件が輝いた。優秀賞の表彰式は今後、各地方の経済産業局で開かれる。
建設関係の主な受賞者は次のとおり(敬称略、カッコ内は所属企業など)。
〈経済産業大臣賞〉
=製品・技術開発部門=
▽泥状津波堆積物(ヘドロ)を原料とした高機能性地盤材料の開発=森雅人(森環境技術研究所)、柴田聡(同)、丹勇(同)、山崎淳(同)、森勇人(同)高橋弘(東北大学大学院)。
▽社会インフラを支える世界初の省資源型高性能二相ステンレス鋼の開発=及川雄介(新日鐵住金ステンレス)、柘植信二(同)、末次和広(同)、山本洋一(同)、福田義盛(同)、本村洋(同)、江目文則(同)。
〈特別賞〉
=製品・技術開発部門=
▽2時間耐火木構造部材「COOL WOOD」の開発=安達広幸(シェルター)、武田純一(同)。
▽“さびで錆を制す”鉄鋼インフラを長寿命化する反応性塗料の研究開発=山下正人(京都マテリアルズ)、野村豊和(同)、花木宏修(同)、草場義彦(クロサキ)、宇木則倫(長瀬産業)。
〈優秀賞〉
=製造・生産プロセス部門=
▽電力削減を切り口にしたダントツの生産改革と建屋再編=仲泉達也(小松製作所)、岸中俊之(同)、三苫孝太郎(同)、牧野秀昭(同)、山本貫(同)、川越靖之(同)、久保均(同)。
=製品・技術開発部門=
▽“作業効率24倍”を達成“業界初四輪駆動式”乗用草刈機「まさお」の開発=包行均(筑水キャニコム)、中村公徳(同)、川崎真一郎(同)、池田克久(同)。
▽簡便・低価格・高精度な打音検査装置の開発=吉永憲市(昭和テックス)、江頭隆喜(同)、脇部康彦(新日本非破壊検査)、岩本幹夫(同)、山本博美(福岡県)、山本圭一朗(福岡県工業技術センター機械電子研究所)。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿