2016/02/01

【東北建設業青年会】震災後「最前線で活躍」の建設業、イメージ好転 東北工業大学生と意見交換


 東北建設業青年会(吉田昌平会長)と東北工業大学の学生との意見交換会が1月28日、仙台市青葉区の宮城県建設産業会館で開かれた=写真。学生の大半が東日本大震災前、建設業に対して「きつい、汚い」といったマイナスイメージを持っていたが、震災後は建設業の役割やインフラ整備への理解が進み、土木を学ぶきっかけになったことが分かった。青年会メンバーからは、今後、就職活動の本番を迎える学生に企業を選択する際のアドバイスなどが行われた。

 この日は、吉田会長を始めとする同会役員13人、同大工学部都市マネジメント学科の3年生10人、小出英夫学科長、中山正与学科長代理、東北地方整備局企画部の柴田吉勝技術調整管理官が出席した。
 冒頭、あいさつに立った吉田会長は「建設業界は人手不足が大きな課題となっており、“担い手3法”などにより官民一体で魅力ある産業づくりに取り組んでいる。学生の皆さんが建設業に対して不安に思っていることなど、率直な意見を聞かせてほしい」と語った。
 学生からは「体力的に厳しい仕事だと思っていた。震災の時、建設業の人たちが前線に立って活躍しているのを知り、自分も大学で土木を勉強しようと入学した。将来は地元に戻って土木の仕事に就きたい」「震災の時に電気や水道などがすべて止まり、不便な生活となった。建設業は、あって当たり前のものを支えている、不可欠な産業だと思う」「『汚い、残業が多い』というイメージを持っていたが、建設会社に就職した先輩からやりがいのある仕事と聞き、印象が変わった。資格を取得して現場で働きたい」などの意見が出された。
 学生のうち9人は岩手、宮城両県の出身で、震災当時は高校生だった。電気や水道、ガスなどのライフラインが長期間にわたって断絶された地域もあり、不自由な生活を強いられた学生も少なくない。こうした経験からライフラインの復旧などに尽力する建設業の姿をみて、イメージが大きく変わった模様だ。
 就職先を選ぶ際に重要視するものには「自分がやりたいことと、企業が持つ強みが一致している」「給料と休日の多さ、安定性」などを挙げる学生が多かった。
 青年会メンバーは「建設技術者には、コミュニケーション能力が求められる。学生のうちから、人間関係を大事にしてほしい」「会社を選ぶ時は、インターネットなどの電子媒体だけに頼らず、その会社の現場に足を運んでみた方が良い」などとアドバイスした。
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